【名著】老年について|キケロ 後悔なく、美しく、老いていく

 

 

配当も阿波太郎です本日は古代ローマの
哲学者キケロの代表作老年について御紹介
いたしますどんな作品かといいますと誰も
が経験する老いと死について説いた人生論
の古典的名著です哲学や歴史に関心のある
方はもちろんのこと将来に漠然とした不安
を抱いている方最近加齢による衰えを感じ
ている方充実した老後を迎えるための準備
をしておきたい方にぜひ手に取って
いただきたい一冊です若い時にはなかった
はずのシミやシワが増え有り余るほどあっ
たはずの気力と体力がなくなっていくこの
ようにして老化は人間に余計なものを
与える一方で大切なものを奪っていく現象
として何千年も前から人間を悩ませてき
ましたただそうは言っても人生は一度しか
ありませんどうせなら年を重ねるたびに
喜びを感じポジティブに楽しく生きていき
たいという方も多いのではないでしょうか
そこで今回は古代ローマり活躍した弁論家
政治家でありギリシャ哲学を中中世
ヨーロッパに伝えた以来な思想家キケロの
著作から人間が年をとっていく上での大切
な心構えを学んでいきたいと思います
もちろんご視聴にあたって難しい予備知識
は要りませんいつも通り手ぶらで ok
ですのでお茶でも飲みながらリラックスし
てどうぞ最後までお付き合いいただければ
と思いますそれでは参りましょう木老年に
ついてさあまずはこの動画の全体像からお
示しいたします初めに著者とこの作品を
読む上で事前に知っておきたい知識を簡単
に紹介いたしますその後老年についてお
おいが悲観される4つの理由災いが
もたらされる最大の悪のえさ人生の終わり
と旅立ちという3つのテーマにそう持って
進めてまいりますさあというわけでまずは
著者について紹介いたしますマルクスと
デュースキケロ彼は紀元前106年
イタリアのアルピードという小さな町で
騎士階級の家に生まれました記事階級と
いうのは貴族と平民のちょうど間にある
階級のことで主に税金の回収業務や農地の
経営などを行っていましたキケロの父親は
大変教育熱心で子供が勉学に励みやすい
ようローマへ転居し哲学弁論術法律死と
いったギリシャ発祥の学芸を身につけさせ
たといいますその甲斐あってかキケロの
知的細動は見事花開きいつしかローマ史に
残るような偉大な指導者になりたいと壮大
な夢を描く少年へと成長していきました
そんな若き日のキケロが学んだとされて
いるのが禁欲主義のストア派海楽主義の
エピクロス派という2つの哲学思想です
これらについては過去の動画で触れてい
ますが簡単に復習をしておきたいと思い
ますまずストア派というのは理性によって
欲望や感情を抑制しいかなる情念にも心を
動かされない境地を目指す思想のことを
いいますまたストイックという言葉の語源
になったことでも知られていますストア派
の哲学者たちは宇宙も自然も人間もこの世
のありとあらゆるものは神が創った法則に
よって動いているためその方則に従って
生きることが正しいことであると考えてい
ました例えば人間の場合であれば他の
動植物にはない理性が備わっていますが
ストア派の考えではこの理性も神が創った
法則の一部とされていますそのため理性に
従って生きることこそが神の意志にかなう
生き方でありそれを彼らは自然に従ってい
いると表現していました一方海楽主義の
エピクロス派というのは苦痛不安恐怖と
いった心を乱すものがない状態こそが日
イラクであるとしその状態を維持しながら
楽しく安らかな人生を目指すしそうになり
ますその境地に至るためエピクロス派では
政治や公共生活といった煩わしい世界と
一線を退き隠れて生きることを推奨してい
ましたただ当時のローマ社会の中枢にいた
のは貴族たちです彼らの多くは国営に
関わる公人であったためエビクロス派の
われ関せずといった考えはあまり受け入れ
られませんでしたそのためローマでは
エピクロス派ではなくストアーの方が広く
支持されていくことになりますこれらの
荷台思想を学んだとキケロが次に出会った
のが同じくギリシャ発祥の懐疑派と呼ば
れる哲学の思想です懐疑派というのは簡単
に言ってしまいますと答えの出ないような
難しい事を考えたり判断したりすることを
やめることによって心の平穏を作り出し
そこに幸福を見出すというしそうになり
ます要するに万物の根源とか生きる意味と
か人間の存在価値とかそういった物事の
本質を志向し突き詰めたところで万人に
共通する答えはないしそもそも知りようが
ないんですとそんな知りようがないことを
考えていたら心が乱れてしまうのでそう
いった対象については思考停止した方が
いいというわけですちなみに懐疑派が唱え
たこのような戦略的思考停止のことをポー
系と言います中でもキケロは懐疑派に最も
継投したと言われていますが実際に彼の
著作を読んでみますと今挙げた3つの哲学
のエッセンスが随所に散らばっており
幅広くギリシャ哲学に影響を受けている
ことが分かりますこの8に政界で活躍する
ための基礎教養を身につけたキケロですが
一体どんなルートをたどりどこに
たどり着くのがゴールだったのでしょうか
さあというわけでこちらのスライドをご覧
下さい今を示ししているのは古代ローマに
おけるざっくりとした出世ルートです結論
から言ってしまいますと財務官を経験し
最終的に執政官になることこれがキケロの
考えていた理想のキャリアです政務官と
いうのは政治を行う責任者のことで色々な
セーブ感を経験することでどんどん出世し
ていく仕組みになっています財務官と
ホーム館はその名の通りですが護民官は
平民階級の権利を守る責任者暗殺買うわー
ローマの食料を娯楽インフラなどの生活面
の責任者執政官バー行政や軍事の最高責任
者になりますもしかしたらいつも動画を
主張してくださっている方の中にはこの
政務官の上に絶対権力者であるローマ皇帝
がいるのではないかと想像された方もいる
かもしれませんが結論から言いますとこの
時代にはまだ法廷はいませんなぜなら当時
のローマは共和制といって王様のような
絶対権力者が出てこないような政治体制に
なっていたからです具体的には元老院みん
かいそして政務官という3つの巨大な機関
がうまくパワーバランスをとりながら約
500年間共和政ローマの舵取りをしてい
ました一方絶対権力者である皇帝が登場
するのは今日は青のアトリアってくる帝政
ローマと呼ばれる時代ですここで登場する
のが過去にローマの哲学者として紹介した
セネカそして鉄人皇帝マルクス
アウレリウスというわけですそして今回の
主人公であるキケロ彼が活躍したのは今日
あ生の末期ですつまり約500年続いてき
た共和制が限界を迎え今まさに訂正に切り
皮ローとしている激動期に政治の中枢に
飛び込もうとしていたのですこの後彼には
どんな運命が待っているのかぜひ注目
いただきたいと思いますさあ話を元に戻し
ましょう実はキケロがローマで死生観に
なるということはほぼ不可能と言っても
いいと難しいことでしたなぜなら執政官と
は基本的に貴族階級から選ばれるからです
さらに言えば一族の中で過去に執政官を
輩出したことのある一握りの貴族から執政
官が選ばれるのが通例だったのですつまり
貴族よりも下の騎士階級のキケロにとって
執政官とはあまりにも遠すぎるよ目立った
わけですしかし彼は財務官になると
トントン拍子に出世していきなんと43歳
という最年少の若さで執政官に選ばれます
いったいなぜキケロわー並み居る貴族たち
を打ち破り執政官の選挙に勝つことができ
たのでしょうかそれは彼が優れた知性と
人徳の持ち主であっただけではなく並外れ
た弁論術の使い手であったことが主な要因
として挙げられます特にキケロの弁論技術
は古代ローマ史上最強とも言われており
数々の名言や名演説が残されています中で
も今なり伝説として語り継がれている代表
的なスピーチがこちらカティりな断崖演説
画面左で両手を大きく広げているのが
キケロ一方右下でうなだれているのが
カティ里奈という人物です彼はキケロと
ともに執政官選挙に出たライバルなのです
が度重なる落選を経験した結果もう正攻法
では執政官になれないと半田市大規模な
クーデターを画策しキケロー暗殺しようと
目論んでいたのですただその陰謀は内部
告発によって車1敗に終わりカテリーナは
公共の場に立たされ答弁を求められます
しかし彼は硬くなり事件への関与を
認めようとしませんでしたそこで当時死生
観であったキケロが卓越した弁論術によっ
てしらばっくれていたカテリナを完膚なき
までにねじ伏せその野望を打ち砕いたの
ですこれによって彼は国家転覆の危機をし
くった英雄となり祖国の知事という称号が
贈られますしかし残念ながら彼の黄金時代
はここでおしまいです当時のローマ社会は
内乱がずっと続いていたため人々は言葉の
力よりも武力や権力を政治に期待するよう
になっていきましたそこで頭角を現したの
が軍人政治家と呼ばれる将軍たちでなかで
も抜きん出たカリスマ性を持っていたのが
この男いうリユースカエサルローマ最大の
英雄の登場によってキケロはかつての求心
力を失いなんと政治の表舞台から追放され
てしまいますこの栄光からの転落は彼に
大きな苦悩と絶望を与えますがキケロは心
のよりどころ哲学に求め必死にその運命に
抗い続けます政治家として活躍する場は私
にはもうないかもしれないしかしそうで
あったとしても祖国ローマと同法たちの
ためにできることがまだあるはずだキケロ
はそのように思ういたり数多くの哲学的
著作を生み出すことによって自分が信じた
自分の言葉を未来に託そうとしたのです
そして今から取り上げる老年については
そんな彼の晩年の力作でありはずある
キケロ作品のなかでももっとも人気がある
ものですまた本作は複数の登場人物が会話
をしながら進行していくいわゆる対話篇
呼ばれる形式が採用された作品になります
具体的にはスキピオ
や英利薄という2名の若者がもと死生観で
御年84歳の加藤という老人に老後の悩み
を打ち明けアドバイスを求めるという誰も
が共感できるようなわかりやすい設定に
なっていますいずれも実在した歴史上の
偉人ですがここでのポイントはキケロが
自分の言葉を老人加藤に喋らせていると
いう点ですなので加藤が若者たちに
アドバイスしている言葉はすべてキケロの
ことばとして捉えていただく必要がある
わけですここまでよろしいでしょうかでは
以上の点を踏まえましていよいよな瓶に
入って行きたいと思いますひとつ目の
テーマはおいが悲観される4つの理由です
では行きましょう
多くの人は長生きすることを願っている
しかしいざおいてみるとたいていの人は
老化した自分に失望したり文句を言ったり
するものだだがこういった老人の不平不満
の原因は年齢によるものではなく本人の
性格の問題であるきちんと道理をわきまえ
ている老人は上手に年をとりいつまでも
穏やかで人生を楽しんでいるものなのだ
たとえ巨万の富を持っている老人であって
も性格が意地汚くいつもイライラしている
ような人は決して満たされることはないの
であるではなぜ皆が皆をいることに対し
こんなにも悲観的になっているのだろうか
私が思うにその理由は4つある
第一に活動性の低下
第二に体力の検証第三に日イラクの欠如だ
イオンに迫るくるしであるでは今からこれ
らを一つ一つ吟味し真実であるかどうかを
確かめていこうまず1つ目老年の活動性の
低下について考えてみたい確かに肉体が
衰えれば体力を使うような活動は減って
くるこれは事実であるでは精神の力を持っ
てする活動はどうだろうか老年になったら
それすらも奪われてしまうというのだろう
かもしそうだとすれば優れた頭脳と影響力
によって祖国を守ってきた偉人たちは
何一つ活動をしていなかったことになる
本当に大きな仕事とはその人物の力の強さ
やし俊敏されよってではなく知恵人格
そして冷静な判断力によってなされるので
ありそれらは年を重ねるほどに輝きを増し
ていくのであるしかしそれでも歳を取れば
記憶の力は衰えるこれもまた事実であるだ
がそれは家の淡麗を怠ったものに限った話
なのだ例えば当てないの政治家であった
テミストクレスは高齢であっても市民全員
の名前を覚えていたまた老年の法律家や
哲学者たちは年齢を感じさせないほど
たくさんの情報を記憶しているものである
つまり人間は学びたいという情熱の火を
絶やすことなく努力し続ければたとえ置い
たとしても健やかな知性を保つことが
できるのであるこれは名のある人物に限っ
た話ではないごく普通の民間人でも同じ
ことが言える目指すべきは惨めで怠惰な
老年ではなく活動的になり化を行ったり
何かに励んだりしているローメンなのだ
その何かとはこれまでの人生で情熱を
燃やしてきた大切な営みのことであるでは
君たちに偉大な詩人ソロンの言葉を贈ろう
私は日々何かを新たに学びチリだがらおい
ていくはいこれダメますなるほど要するに
老人には精神の力を使った活動的な営みが
残されているんですとさらにこれまで蓄え
てきた知識鍛え上げてきた思考力や判断力
それらをフルに発揮できるのは若い時では
なくむしろローレンにこそあるのだとその
ようにおっしゃっているわけです本書では
老人加藤が若者2人にこれでもかという
ぐらい
偉人の固有名詞や事例を挙げて丁寧に説明
をしてくれているのですがその圧倒的な
引き出しの多さもまさに老年の賜物と言え
ますきび何かを新たに学び知りながらおい
ていくといったソロンの言葉もありました
が彼等自身も晩年になってから汽車文学を
学び始めあの哲学の父といわれる
ソクラテスも老年になってから竪琴を始め
たと言いますこの8に常に何かを学びたい
という気持ちさえあれば人は年をとっても
活動的に生きることができるというわけ
ですさあそれでは続きを見ていきましょう
では老年が悲観される二つ目の理由
体力の低下について話をしていこうまず大
前提として私は若者のような体力がほしい
とは思われそれは若い頃に牛や象のような
力がほしいと思わなかったのと同じことだ
自分のできる範囲で力を発揮することそれ
こそが人間にとってふさわしい行動なので
あるだから君たちも今もっている自分自身
の良いものを使えば良くない時はそれを
求めるべきではないのだただ人前で話す
技術に関しては歳を取れば衰えてしまうと
いう懸念もあるだろうなぜなら弁論家の
力量は頭脳だけではなくはいの力や体力に
も左右されるからだしかし歳を重ねたもの
の強みはなんといっても朗々とした声の
心地よい響きであるそういった自分の強み
を真に理解している弁論家は往年であって
も多くの軽重を勝ち取ることができる人生
とは折り返しのない一本の道だそこには
段階がありその時期だからこそ大切にす
べき属性がある少年期の端からさ青年期の
大胆さ駐輦機の重厚さローレン機の成熟
これらはその時にしか収穫できない自然の
めぐみなのであるまた体力の衰えといって
も老年ばかりが原因ではない若い時に不
摂生をして健康を害してしまい老後にその
代償を払うことになる人も多いのである
ゆえに我々はロー狩りは争い絶えず注意し
その欠陥を補わねばならないのだ老化との
戦いは言わ病気の戦いと同じである健康に
配慮し適度な運動と自分に必要な分だけの
食事を心がけると良いだろうしかしそれ
以上に気をつけてほしいのは君たち自身の
内面である人間にとって頭脳や精神は
ランプの灯と同じなどだぼやけたりに打っ
たりしないよう時折油を注ぎ手入れをしな
なければならないのであるはい高齢食べ
ます簡単にまとめますと今もっている自分
の力を発揮し強みを生かすライフステージ
ごとの属性を大切にする健康に留意するの
はもちろん自分の家力を鍛え精神を磨き
続けるというお話でした老年の何もかもを
肯定しているわけではなくその問題点を
冷静に分析しおいに争う対策を講じその上
で老後も悪くないと主張しているここが
重要なポイントですまたキケロは幼少期
から病弱な体質で健康面ではかなり苦労し
たと言われていますそんな彼が執政官に
上り詰めローマ随一の弁論家になれたのは
普段から相当健康に留意していた子が想像
されますただそれ以上に重要であると強調
されていたのが知性の鍛錬ですつまり肉体
は衰えても知性は衰えないので読書でも
仕事でも研究でも何か一生かけて
打ち込めるものを持っておきましょうそう
すれば肉体的な活動量が低下しても体力が
落ちても人絵を最後まで充実させることが
できるのだというわけですさあここで一つ
目のテーマはおしまいです続きまして二つ
目のテーマ災いをもたらす最大の悪の餌に
ついて見ていきますではいきましょう老年
が悲観される第三の理由は日イラクの欠如
であるでは誰よりも優れた若者である君
たちに気医者の哲学者歩き+の言葉を
授けよう自然が与えたもので肉体の快樂
ほど人間にとって致命的長い薬はないこれ
を得ようとすると止めどもなく貪欲な欲望
が煽られる想像してみるがいい肉体のか
イラクに突き動かされている誰かの事その
ような快樂にとらわれている限り思索的な
ものは何ひとつ達成できないだろうさて
なぜ私が彼の言葉を君たちに紹介したか
気づいてもらえただろうかつまり人を過ち
に駆り立てるよくボーボー幼年が取り去っ
てくれると前向きに捉えそれを喜んで
ほしいのである海楽の甘い誘惑に抗うのは
誰にとっても簡単んなことではないまるで
魚のごとく簡単に日イラクという餌に
引っかかるそれが人間なのだゆえに
ギリシャの哲学者プラトンはこんな言葉を
残している海楽とはすなわち最大の悪の餌
であると解雇これ食べますなるほど過ちに
駆り立てる欲望を老年が取り去ってくれる
という面白い表現がありました要するに
肉体的なものに限らずあらゆる欲望から
解き放たれれば争うことも妬むこともなく
なり本当に自分がやりたいことに集中して
生きることができるだから老年の生活は実
は快適なんだとそのように言っているわけ
ですただどんな老人でも快適かといえば
そうではなく仕事学問芸術といった
生きがいとなるようなものとそれを楽しむ
時間この2つが快適な老後を過ごす上で
重要な条件となると本書ではそのように
捕捉されていますさらにキケロは次のよう
に続けますこれまで語ってきたすべての歯
なしで私が称賛している老年とは若い頃の
礎の上に築かれた老年である例えば尊敬に
値する老人の威信や貫禄こういった頃は
白髪になったりシワができたりしたからと
いってそう簡単につかみ取れるものでは
ないそれまで立派に生きた人間が受け取る
最後の果実それが維新いや貫禄というもの
なのが偏屈でおこりっぽいそういった世間
の人が抱く老人のイメージはあくまで本人
の性格であって老年による血管で笑よい
習慣を身につけたり学問や芸術などを学ん
だり自分を磨く努力さえ怠らなければそれ
らは改善されうるのであるすべてのブドウ
手が古くだったカロリー入って味が落ちる
だろうかこれと同じようにすべての人間が
老化とともに劣化するわけではないので
あるパイここで留めますなるほど要するに
肉体的快樂を得るよりも立派な人間として
維新や貫禄を身にまとった方がよっぽど
価値があるし喜ばしいことなんだとただ
そういった人生最後の果実を手に入れる
ためには情熱を注げる何かに打ち込み知恵
を身に付け品性を磨かなければいけないの
だというわけですちなみに本書で聴けるの
言葉を語っている老人加藤は自分を頼って
きた二人の若者に対し金パンに友人という
呼び方をします彼等といえば貴族ではなく
平民階級から死生観に上りつローマの頂点
に立った叩き上げの偉人ですにもかかわら
ず若者たちと同じ目線に立ち敬意を持って
接するその姿はまさに人生最後の果実を
受け取るにふさわしい理想の老年と言え
ますさてここで2つ目のテーマが終わり
ましたでは次で最後3つ目のテーマ人生の
終わりと旅立ちというテーマに移りたいと
思いますではいきましょう老人の聖母最も
苦しめ不安にさせると思われているのが
迫り来る死である言うまでもなく家は万人
に共通のものだ老人だろうが成年だろうが
世代など関係はない私は自分の息子を失い
どれほど人間にとって死が身近にあるかを
思い知ったにもかかわらず多くの人は
迫り来る死を老人だけの問題であると
まるで人ごとのような顔をしている老人は
長く生きられないが若者は長く生きること
ができるだから老人には希望がないと嘆く
人もいるだろうしかし老人はすでにその
希望を達成しているからこそ老人なので
ある過ぎ去ったものを開けして戻らず未来
のことは誰にも分からないただ私たちは
各々に今与えられている時間を精一杯生き
それに満足しなければならないのだ短い
人生であっても長い人生であってもよく
行き立派に生きるには十分な長さである
ロー去年の報酬とは何かそれは年老いる前
に獲得した良き物の豊かさとその思い出だ
自然に従って生じるものは全て良いもので
ある老人が余生を全うすることこれほど
自然に従ったものがあるだろうか木に実っ
たリンゴが自然に地上に落ちるように暴力
的な力ではなく成熟が老人から命を奪うの
であるはいここで留めます加藤は自分の
息子に先立たれたことを例にあげ氏は老人
だけの問題ではないと力強く語っていまし
たが実はキケロも同じよーり晩年に娘さん
を亡くしていますつまり彼等はキケロに
とってあまりに自分と境遇が重なる人物
だったのですまた自然に従って生じるもの
は全て良いという言葉には ik 知識で
触れましたストア哲学の思想的影響が見
られます成熟したリンゴの実が自然に地面
に落ちるように老いることもまた自然な
ことなのだからそれを恐れたり不幸なこと
だと思ったりしてはいけないとそのように
言っているわけですそしてもう一つ押さえ
ておきたいのがギリシャの哲学者羅豚のし
そうですプラトンは人間の肉体が滅んだと
しても魂は消え去ることはなくそのまま
生き続けるといういわゆる霊魂不滅を唱え
たことで知られていますキケロはそんな
プラトンを誰よりも尊敬し魂ろ不滅を信じ
ていた哲学者の一人でしたそして彼は
迫り来る死に対する向き合い方を自身の
経験そして魂が不滅であるというプラトン
の思想と絡めながらいよいよ若者たちに
最後のメッセージを贈ります本書はとても
読後感が清々しいので余計な解説は加えず
そのまま動画を終えたいと思いますので
ぜひ聴いてみてくださいではいきましょう
どこかの神様がお前を老人から幼子に変え
てやろうと言っても私は固くお断りしたい
なぜならゴールの手前で無理やり振り出し
に戻されたくはないからである多くの犬だ
たちがそうだったように私は自分の星を
惜しんで嘆く気にはなれないしこれまで
生きてきたことを後悔するつもりもないの
だこの世はずっと積み続ける自分の家では
ないいつか必ず立つ足らなければならない
仮の宿などだ魂が一堂に会するあの
輝かしい場所へ私もそのうち旅立つなろう
そこにはこれまで共に語り合った偉人たち
そしてこのように精を受けたものの中で
最も愛するべきはが無数粉が舞っている私
は彼の亡骸を葬ったしかしあの子は私を
置き去りにしたのではないいつか必ず私が
会いに来る事を信じながら去っていったの
だだからあの時から今日まで私は心の平静
を乱さなかった周囲の人々は不幸に堪えて
いるキじょうな人間だと思っていたようだ
がそれは違う自分と我が子を隔てるは彼は
それほど長くはなくきっとまた会える日が
やってくるそう自分に言い聞かせながら
これまで生きてきたのだ私は魂の不滅を
信じているたとえそれが間違いであっても
私は信じているのだ
この絶対的な信念があるからこそ私は
ずっと幸せでいられたそしてこれからも
そうありたいと願っている老年とはいわば
人生という舞台の最後の一幕だ十分生き
きったと思えばその時が幕引きなのだ若き
友人たちをはた氏が語るべきことは異常で
あるあとは君たちが年を重ね今日伝えた
ことを体験するだけだはいというわけで
キケロの老年について以上でございます
いかがでしたでしょうか今回は1年の
終わりが近づくとつい読み返したくなる
ような名作古典を選んでみました楽しんで
いただけたでしょうか途中でエピクロス
セネカマルクスアウレリウスといった哲学
者たちの名前がでてきましたが彼らの思想
や歴史の流れについては別動画で詳しく
解説をしております話がつながってくると
さらに楽しんでいただけると思いますので
ご興味のある方は動画の概要欄から
チェックしていただければと思いますこの
動画が面白かった参考になったという方は
こう評価コメントなど頂けますと嬉しい
ですまたチャンネル登録もよろしくお願い
致しますではまた次の動画でお会いし
ましょうありがとうございました
[音楽]

この記事を書いた人