【16分解説】人生の授業|奴隷の哲学者エピクテトス ~辛い、苦しい、生きづらい。こんな世界を「よく生きる」には?~ 著:荻野 弘之

 

 

配当あまたございます本日は奴隷の哲学者
エピクテートス人生の授業こちらをご紹介いたします
著者は上智大学文学部哲学科教授の荻野博之先生です本書のテーマはずばり
生きづらい世の中をどう生きていくのかというちょっと深くて悩ましいお話になります
先にどういったをない
について今回お話をさせていただくのか整理しておきたいと思います自由に生きたいが
そのための財力も影響力もない他人の評価や視線が気になり自分らしく行動できない
自分の欲望と欲求になかなか打ち勝てない
困難な状況に立たされると自分を見失ってしまうこの4つですいかがでしょうか
どれも気になるものばかり
ですねただ皆さんが今一番気になっていらっしゃるのは奴隷の哲学者エピクテートス
誰ここだと思います日本ではあまり馴染みがないかもしれませんがこのおじさん只者で
はありませんローマ皇帝マルクスアウレリウスニーチェ
あら夏目漱石といった錚々たる偉人たちにリスペクトされてきた古代ローマを代表する
って
伝説級の哲学者それがエピクテトス大先生というわけであります今日はそんな
エピクテトス先生の言葉を彼の壮大な人生ドラマを交えながらお届けしていきたいと
思いますそれでは参りましょう
奴隷の哲学者エピクテトス人生の授業

どんな流れでこれからお話をさせていただくのかといいますと
大まかに3つですはじめに本書を楽しんでいただくための背景知識を整理し次に冒頭で
触れた4つのだやめに関するお話をし最後にエピクテートスが去った後の世界の話を
いたしますではさっそく1つ目背景知識のお話ですまずこのエピクテートス大先生
を差し置いて話をすることができませんのでこの人物について見ていきたいと思います
彼が生き立ち台というのは機嫌で行っ世紀の後半から2世紀の前半にかけての古代
ローマです
この時代といえば当時のローマ帝国が最大の半取りたし空前の繁栄を誇った
五賢帝時代にあたりますちなみに5件程度いうのは
その時代を治めていた5人の賢い工程のことを指します
寝るはトライアルアドリア留守アントニヌスピウスマルクスアウレリウスこの後にです
そしてこのエピクテートスが生きた時期というのはこの後検定のうち1番目のネルは2
番目のトライアルそして3番目のハドリアヌスという1番目から3番目までの皇帝の
時代にあたりますただ
そんな平和と繁栄の時代を裏で支えていたのは名も無き奴隷たちで
エピクテトスはまさにそのひとりだったというわけですそしてようやく奴隷という立場
から解放されることになると残りの人生を哲学の教師として過ごしたとされています
当然そんな彼が経験してきた苦労というのは
筆舌に尽くしがたいものがあります両親が奴隷という理由でなぜか自分も奴隷という
運命を背負いさらにエピクテトスという名前もどっかの誰かが適当につけた名前で自分
の本当の名前すらよくわからない
さらに肖像画にもあるように足に障害があり自由に動けない
奴隷から解放されたらされたで今度は国外追放という憂き目に遭い
そこからの極貧生活もう踏んだり蹴ったりですそんな中ローマ帝国は未曾有の繁栄を
享受し人々は平和裏泰利成果としてそれを彼は奴隷という立場でずっと見せつけられて
きたわけですこれは sns で誰かの投稿を見てうらやましいとか一眼でしまうとか
もうそういう次元ではないですえーちょっと待ってくれ私の人生なんだ
誰だってそうなりますし普通にす
精神が崩壊してしまいますただこちらの画像をご覧下さいこのエピクテトス先生のこの
何とも言えないふてぶてし表情
痛くも痒くもないみたいなそんな顔していますおまけに頬杖までついて
べもリラックスしていますソーランですエピックてと先生はそんな理不尽すぎる現実を
前にしても僻むことも心折れることも絶望することも
いませんでしたなぜなら彼の心は哲学という精神の鎧によってガチガチにコーティング
されていたからです
もちろん哲学と言いましてもいろんな学派種類があるのですが
エピック程度先生はその中でもストア派と呼ばれる学派の代表的人物になりますストア
派というのは古代ギリシャにおいて0んという哲学者が作った
爆破の一つで実践的な筋力主義をその特徴とします
ちなみに英語のストイックという言葉の語源はこのストア派から来ていますもちろん
このストアというのはお店のストアではありません当時のアテネ市内の中心部の広場に
柱の列がツラァと並んでいる中老がありましてそれをストアというんですね
そしてその中老ストアの
前でゼノンさんが哲学の講義を行っていたことから
ストア派と呼ばれるようになったというわけですそんなストア派の代表的人物である
エピクテートス先生の言葉というのは彼の弟子たちが残した言行録くらいしか残ってい
なくで非常に貴重なものです
そして彼の言葉を現代風にわかりやすくイラストを交えながら紹介してくれているのが
本書
であるというお話ですさあここまで宜しいでしょうか一つ目のテーマである背景知識の
お話はもうここで大しまいです次のテーマでは今までの話を踏まえた上で現代人が
抱える4つの悩みについて見ていきたいと思いますそれがさっそく1つね自由に生き
たいがそのための財力も影響力もない
これに関してエピック程度先生のお考えを聞いてみ
たいと思います有名な人影響力のある人
お金持ちの人を目にした時あなたはどうなんて幸せそうな人なんだ
自分もあの人のように幸せになりたいそう感じてしまうことはないだろうか
そんなあなたに質問がここに2つの人生があるとしよう
一つは何かに捉われていける人生もう一つは何もとらわれずに自由に生きる人生だ
さああなたはどっちの人生が幸せだと思うか答えてほしい
そうか何にもとらわれず自由に生きる人生こそが幸せな人生であるとあなたがそう思っ

だからじゃあ地位や名誉や財産にとらわれそれを基準に生きることが本当に幸せだと
いえるのだろうか
もしそれらを得られなければ不満が生まれ得られたら今度は奪われることや減ることに
対して恐怖が生まれる
何かに捉われて生きる人生とはつまりそういうことだ
もし本当に自由を手に入れたいと願うのであれば
我々次第でないものを軽く見なさいはいいかがでしょうか
ビッグデイト先生は自分の身に降りかかる全ての物事は2つに分けられると言います
ひとつは自分次第で通りができるもん
もう一つが自分次第でどうにもならないものですスライことや悲しいことがあったとき
腹が立つことや羨ましいことがあったときこんな不愉快で嫌
な状況に陥ってしまったときまずすべきは自分しだいかそうでないかを頭の中で
振り分けることなんです例えば財産
評判見た目あるいは機嫌の悪い上司なんかどうでしょうか
自分の裁量で自分の手足のより今すぐ自由にコントロールできるかというとできない
わけです努力次第では通り
なるんじゃないのという考え方も一つですが多かれ少なかれ時の運や誰かの移行といっ
た不確定要素が入り込む余地がある以上それは我々次第ではないものになるんです
にもかかわらず多くの人はそれが手に入らないとそれが改善されないとこの世の不幸が
すべて自分に降り注いでいるかのような錯覚に陥ってしまうだからエピクテトス先生
ではこういった我々次第でないものを人生にとって重要なものだと真剣に捉えなくて
いいそんなものはもっと軽んじでいい
その代わり自分がコントロールできる範囲のことに重きを置くのだと言われているわけ
です例えば午前中は端保見ないとか羨ましい気持ちが湧いてきてしまうような ss 1
見ないとかあるいは削除
するとか寝る前の30分前は必ず読書をするとかそういった自分次第でどうにかできる
範囲のことをやるそこに自分の欲望をエネルギーを集中させる
それこそが自由で幸せな人生も送る上での秘訣なんだというわけですねよくストア哲学
というとストイック禁欲
我慢というイメージだけが先行しますが別に
すべての欲望に蓋をして我慢して聖人君子のように生きなさいと言っているわけでは
ありません
自分の裁量の範囲内にあるものだけに欲望の対象を限定し
欲望をコントロールすることそれが彼らの意味するところの筋力でありそれこそが人間
の幸不幸を分けるんですとそう言ってるわけなんですね
ただどうでしょうかそうは言っても今度は他人の評価誰かの視線が気になってしまい
身動きが取れない行動できないこういったまた別の問題悩みを抱えてしまうケースも
あると思いますこれに対しエピックてと先生はこのように言われます
自由に生きる唯一の1それは自分の意志の中で生きることだ
もし自分の意見がみんなと
違っても自分が正しいと思うのならそれは貫くべきだし正しくないと騒ぎ立てる人間を
恐れる必要はない
なぜならあなたの行動も考えも判断もうすべてあなたのもあなたの所有物だからだ
どれだけ体を拘束されても体がたとえ動けなくなったとしても人が何を思い何を考える

この石だけは何 b 度もたとえ神でも奪えない自由なものが
しかし他社を恐れた者の判断にただ従って生きるということはその意思を自分以外の誰
かに渡してしまうことを意味する人間にとって石以上に優れたものはないのだ
はい
いかがでしょうか言葉に宿る説得力が半端でありませんここで語られている石というの
は自分が何をしたいと願い
何を優先し何をすべきと考えその結果行き着いた結論の事を指して信玄というのは生き
ていればいろんな制約がありますよね
お金のこと病気のこと家族のことあとは社会や世間の
ルールいっぱいありますエピックてと先生はその制約の極限状態を何年も体験している
んですそのうえで自分の意思だけは唯一誰にも侵害されない
医師だけは自由なんだと悟ったんですですからそんな人間にとって尊い石を自ら
押し殺すなんてとんでもない
他人の石の中で暮らすなんて理由
がわかんないとおっしゃってるわけですどうでしょうか他人の顔色他人の視線に怯え
ながら生きることがどれだけしょうもないか思い知らされますよね
さぁ次3つ目の悩みについて見てまいります自分の欲望と寄っキュウリなかなか打掛
ない
なるほど滝ほど欲求の対象をコントロールしましょうという話がありましたが確かに
難しそうです
ね早速エビ来てと先生の話を聞いてみましょうもし欲望や偕楽に負けそうなら2つの
時間を思い浮かべるという一つはあなたがその快樂を享受している時間もう一つはその
後それを公開し自分を責めている時間だ
果たしてどちらの時間を過ごした方が自分で自分をたたえたくなるか
ビックリそして冷静に考えてみてほしい私たちの悩みというのは何も苦しいとか怖いと
かそういった感情だけが作っているんじゃない私たちが大好きな欲望や偕楽もまた悩み
や苦しみを生み出す
た音になるんだ好き放題食べて好き放題でて好き放題遊ぶ
そういったかイラクに溺れ続けることは何味わう
であろう大きな苦痛に見て見ぬふりをし後回しにしているだけに過ぎない
本当にあなたが心の底から自分の人生を楽しみたいと思っているのなら今目の前にある
小さな苦痛を選択する勇気を持ってほしい
また人間には誰もが人から愛されたい好かれたい気に入られたいと言った
承認欲求があるその欲求が3
出されなかったとき悲しくなったり辛くなったりするこの承認欲求は人としてなくては
ならない欲求ではあるが問題はこの欲求が強くなりすぎた時に起こるなんとしてでも気
に入られた良く思われたいその気持ちが強くなればなるほど人は奴隷に近づいてしまう
これは自分の行動を自分以外の何者かに切られ
支配さ
れることを意味するつまり他人からどう見られるかとかどう評価されるかを気にすると
いうことは自ら自由な生き方を放棄してしまっていることと同じなのだ
氷川でしょうか目の前にある小さな苦痛を選択することが大事ですよとありましたが
9位にするところは様子るり人間誰しも生きていたら耐え切れないぐらいの苦痛を
味わう時がやってくる
それを回避できるかどうかは日々の小さな苦痛の積み重ねなんですよとそうおっしゃっ
てるわけです後承認欲求の話もなかなか法堂さ
せられますよね自由に生きていきたいと心から願っておきながら多くの人から認められ
愛され承認欲求を満たしたいなんてすごくおかしなことを言ってませんか矛盾してい
ますよというご指摘です思わず笑ってしまうようなツッコミですがこれが約2千年前
から言われていたのかと考えますとあまり笑えませんよねさあそれでは最後の悩みに
ついて見てまいります
困難な状況に立たされる土地文を見失ってしまうなるほど確かにとんでもない苦境の中
にいたら思考停止して負の感情に押しつぶされて最終的に自分を見失ってしまいそうに
なりますよね
さあこれについてエビ来てと先生の話を聞いてみたいと思います
人間生きていればいろんなことが起こる素晴らしいことも苦しいことも数
ないこともあるはずだただそれを一つの出来事として何となく過ごしてはいけない
その時その出来事を経験したらあなたはあなた自身をよくよく振り返りそのときの自分
のことを記憶しておかないといけないこれが大切なんだ
そして自分にはどんな優れたて能力があるのかをその時こそ
問い続け探し続けてほしい
後で発見された力は何本当に困難な局面に立たされた時必ず役に立つはずだはいいかが
でしょうか
要するに普段から自分自身を知る習慣をつけておきましょうと言ってるわけですね
例えば自分の感情を第三者のより日記をつけるなりして客観的に見るトレーニングをし
ておく
それによって自分自身の新たな強みを
見つけたりこれまで以上に強みに磨きをかけたり振り返っておく
そうすることで人はどんな困難が目の前に立ちはだかる桜がそれを克服し成長の機会に
変えていけるのだとおっしゃってるわけです奴隷として生まれ
何とも苦境に立たされ続けてきたエピックとと先生が何度も内政を繰り返しこういった
心理に達したわけですからね
一参考にしてみてはいかがでしょうか4つの悩みに関するお話が降りました
最後にエピックてと先生が去った後の世界の話をしておしまいにしたいと思います奴隷
から解放されてから彼はギリシャのニコポリスという場所で
し塾を開いてそこで哲学教師として働き機嫌135年
静かにその生涯に幕をと
ていることとなりますその頃のローマ帝国というのは五賢帝時代の3番目の行程である
ハドリアヌスが大きくなりすぎていく国家に少しずつブレーキをかけ始め
国を安定させた状態で次の4番目の行程にバトンタッチを考えているといった時期に
ありますですから国としてはまだまだ平和
ですし半芸をしていますそんな中ローマのとある裕福な名門家庭に非常に勉強熱心な
少年がいました
彼はさまざまな学問に興味を持ち日々勉学に励んでいたのですが特に強い関心を彼が
示したのは哲学でした
この少年を哲学の世界に導いた人物の名はる styx パレはストア派の哲学者でし

勝利
円はいつも目を輝かせるようにしながら r スティックスの話に聞き
哲学についてもっと知りたいもっと学びたいという気持ちを強めていきましたらそんな
ある日のこと
る styx は蔵書の中からおもむろに一冊の本を取り出し少年に手渡しました
いったい何度本だろうエピックてドス効いたことのない名前だ
しかしその利発な初演はその本を開くとスイ
塗この人物は紛れもない真の哲学者であり自分にとって必要な存在であることを評価ん
しますそして彼はエピクテトスの言葉を一つ一つ吟味し家にクリし自らの哲学として
吸収していったのでした
そして機嫌161ねえ日来て鳥栖の死去から26年後その少年は立派な大人に成長し
そこ
ローマの皇帝として即位することになります彼の名はマルクスアウレリウスローマ帝国
が最も栄えた五賢帝時代の大トリを飾った皇帝であります彼は心の底から哲学を愛して
いました
哲学者としていき哲学者として死ぬんそれこそが彼の願いであり夢で
したしかし運命はアウレリウスを大帝国の皇帝として選んだのです
哲学者になりたいという有名しかし工程として生きればならないという現実この2つに
挟まれ彼は葛藤し苦しみ抜きました
しかしそんな苦境の中にあってもアウレリウスは立ち止まりませんでした
自ら軍を率いて戦いに明け暮れている日も多忙だ公務に追われる日も自分
の内面を見つめ自分を戒める言葉を書き連ねていたのでそれがあの有名な
自省録と呼ばれる哲学書であり彼が哲学を実践しその身を守ってきたという確固たる
証拠となる書物であるわけですそして何より驚くべきはこの自省録にエピクテトスの
名前
そして彼の言葉が随所に引用され
ているということですこれはつまるところ皇帝マルクスアウレリウスが
エピクテトスの教えに救われ支えられ
耐えきれるほどの困難や葛藤を乗り越えてきたことを物語っています
名も無き元取れエピクテトスローマ皇帝マルクスアウレリウスこの社会的身分が正反対
の二人が哲学を通して暗黙の指定館
ko 物理立場が逆転するというまさに歴史的大どんでん返しです確かに
エピクテートスは名も無き奴隷として生 ok
不遇な運命を甘受し哲学教師として静かにその生涯の幕を閉じました
しかしその命が途絶えても彼の意志が宿った力強い言葉は生きることに苦しむ人々の心
中で今なおえいえんに生き続けているのです
たいというわけで奴隷の哲学者エピクテートス人生の授業
以上でございますエピクテトスはマルクスアウレリウス以外にも以前ご紹介した幸福論
の alan 先生とか
あと夏目漱石にも影響を与えていますしとにかく凄いお方なんです
ご興味のある方はぜひ本書をチェックしてみてください
ちょっとでも面白かった参考になったという方は公表がコメントなど頂けますと嬉しい
です
またチャンネル登録もよろしくお願いしますではまた次の動画でお会いしましょう
ありがとうございました

この記事を書いた人